サントリーホールでのリサイタルの前に、所沢でポゴレリッチのリサイタルがありました。プログラムは同一です。ですが、料金設定がとても懐に優しくて、もう所沢ミューズ様様です。ありがたや。
さてポゴレリッチの演奏ですが、テンション低めで、ソナタでもっと上げていくのかと思ったのですが、案外そうでもなくて、ちょっと意外でした。しかし、音色、曲の解釈、ポリフォニックで立体的な構成、絶妙な響かせ方、もうこれは生で聴かないと伝わらないものだなと思いました。普段PCのスピーカーでYOUTUBEなどを聴いておしまいにしてちゃだめだと反省しました。ピアノ音楽は、「ピアノ+ホール」で一つの響きなので、スピーカーでそれを再現するのは土台無理な話でしょう。実際には「ピアニスト+ピアノ+ホール+聴衆」が作り上げる音楽の世界です。ホールが違えばお客さんに雰囲気も違いますし、トータルで音楽会を楽しむものなんだと思いました。
ソナタの4楽章の速いわけのわからないやつは、今まで聴いたことがない不思議な響きで完璧でした。このソナタはYOUTUBEでポゴレリッチの演奏(若い時の)が聴けるのでかなり聞きこんでいますが、その解釈とはまた違った境地に達していたと思います。
モーツァルトは、あんな演奏聞いたことないです。多分ピアノを専門にしている人が聴いたら、あれはモーツァルトじゃないと言いそう。自分は(モーツァルトという)先入観なしに聴くので、そういう曲なんだと思って聴いていました。自分が昔ピアノを習っていたときは、モーツァルトはダイナミクスをあまりつけず、fはmfで、pはmpと考えて弾きましょうなどと先生に言われましたが、あんなことを教えてくれた先生に今日のポゴレリッチのモーツァルトを聴かせてやりたい。
ポゴレリッチの演奏を語るのは言葉にするのが難しすぎるので、下でいろんな人の感想ツイートも紹介しておきます。
リサイタル概要
イーヴォ・ポゴレリッチ[ピアノ]
日 時 | 2025年1月26日(日)14:15開場/15:00開演 | ||||
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会 場 | アークホール | ||||
出 演 | イーヴォ・ポゴレリッチ[ピアノ] | ||||
曲 目 |
*出演者の希望により曲目が変更になりました。どうぞ、ご了承ください。 |
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チケット |
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プログラム
#ポゴレリッチ ピアノ・リサイタル。所沢ミューズにて。私は有料プログラムの方で楽曲解説を執筆させていただきました。
とくにショパンのソナタの葬送行進曲から最終楽章が神がかっていました。そこからアンコールの《悲しきワルツ》へ。この世とあの世の幻想的な境界線。 pic.twitter.com/flQbmRmHEO— 池原 舞 / Mai Ikehara (@stravigory) January 26, 2025
感想のツイートを拾ってみます。
ポゴ様節は健在で、やっぱりこの人やばい人だなー、ピアニストって枠じゃないなと改めて思いました。咳してる人々にイライラしてたのに、途中感動し過ぎて?声出してウッと泣きそうになったの我慢した(笑)さすがに迷惑ww😂
— ねこ子 (@2gatti) January 26, 2025
1年ぶりにポゴさんを聴きに🎹
プログラムの最後は
ショパンのソナタNo.2 《葬送》GAME OVER音のモデルとなった
特徴的な陰鬱なフレーズて有名だが
心を打たれたのはそこではなかった
ppの音の粒のひとつひとつが
欠けることなくきらめいては消えた
彼により届けられた天国の音#ポゴレリッチ pic.twitter.com/Mz4U73a0bk— じゃじゃ馬ゆう (@jajaumayou) January 26, 2025
開演前
今日は初めてポゴレリッチさんを聴きに所沢へ✨
聞いてはいたけれど開場後にステージで弾かれる姿が☺️
上手く言葉に出来ないけれど、ひたすらに目の前の音楽向かう✨ その演奏からは神聖な音楽の世界を感じ、涙が出てきました😭
モーツァルトもショパンも素晴らしかったけれど特にショパン葬送ソナタ。 pic.twitter.com/pmKwpfixX9— ぴあ (@maorganBWV582) January 26, 2025
燕尾服に着替えて譜めくりを引き連れて現れたポゴレリチは、噂通りの大男だった。ニコリともせず聴衆に一礼をするとピアノに向かい、手元の楽譜をバサっと床に落とすw 注意深く残りの楽譜を譜面台に置くと徐ろにモーツァルトから。ロ短調のアダージョ K540から。既に感想を書いたとおり、実に美しい音
— ぴこ (@piko0930) January 26, 2025
モーツァルト
トルコ行進曲なんて選曲がありなのかと驚きましたが、自分が聴きなれている「子供が弾くトルコ行進曲」とは似ても似つかぬものでした。
前半のモーツァルトは
ポゴさん節であまりモーツァルトらしくはなく(笑)
濃密なブランデーの香りを
思わせるような大人の世界で
今の気分にマッチした
トルコ行進曲は
「こんなトルコ行進曲は初めてだよね」
と皆で言い合ったマズルカも退廃的な雰囲気で酔えた🥃
(呑んでませんが)#ポゴレリッチ https://t.co/MapBZSH1fi— じゃじゃ馬ゆう (@jajaumayou) January 26, 2025
今日はポゴレリッチのリサイタルを聴いた。
スローテンポで重い音、こういうモーツァルトは聴いたことがない。やっぱり独特だな。
少し違和感を覚えながら聴いていたら、最後のショパンの「葬送」に心を持っていかれた。重く深く悲しい。ずっしりと胸に響いた。 pic.twitter.com/14QOAZYDNk— natsu_kusa (@natsu_kusa) January 26, 2025
#ポゴレリチ #所沢ミューズ
前半は異形で規格外のサイズのモーツァルト。黒御影石のような音色が良く似合う。後半は一度解体されて再構成されたショパンと呼ぶべきか。〈葬送〉での凄まじい燃焼度に畏怖する。高次元のペダリングに脱帽させられるのはいつもながら。enc シベリウスは異界をのぞく趣き pic.twitter.com/Ih7nOrcs6Y— 保阪澄斗 (@crhsoYwmzUGonKW) January 26, 2025
ショパン
所沢のポゴレリッチ。後半のショパンが好み。ソナタ四楽章、とんでもない世界。アンコールのシベリウス、最後の弱音の美しさたるや。紆余曲折を経てたどり着いた境地か。たった一音に込めた万感の思いが伝わってきた
— 一索🌗 (@isoisokenken) January 26, 2025
ポゴレリッチ、月並みだけどショパンのソナタ2番の葬送終盤から流れるように始まった最終楽章にかけてなんかもうすごかった……あとアンコールのシベリウスもよかったな〜この間のコンチェルトのときの怖さ(?)はなかった
— ごくつぶし (@Jammes_ojisan) January 26, 2025
アンコール
今日のポゴレリッチのアンコール綺麗な曲だったなーポゴレリッチが演奏するから素敵なのかな?
まだまだ知らない素敵な曲が山ほどあるんだなー pic.twitter.com/AgtiICu4bs— えむぴあの (@NJbEoenn8A66970) January 26, 2025
ポゴレリッチ@所沢ミューズ
曲目変更で残念~と思いつつのモーツァルト&ショパンでしたが、素晴らしかったです。
葬送3楽章からのあの4楽章からのアンコールはシベリウスの「悲しきワルツ」…どこの世界にいるのかと思うほど。
聴けてよかった。— 古内奈津子~ふるるん先生♪~ (@PianoCrescere) January 26, 2025
演奏後のサイン会
2010年、アルゲリッチの代役で聴いて以来。一時期彼のスカルラッティばかり聴いていた。当初プロの方が好みではあるけど、モーツァルトもショパンも本当に美しく泣きそうに。余計な物は削ぎ落とした極限の美。枯山水。葬送が特に素晴らしかった。立ったままサインする独特のスタイル。
#ポゴレリッチ pic.twitter.com/jCqFyDNIDP— eririn (@nazz_nazz_) January 26, 2025
サインもらって奥さん帰宅。
帰りのバス停でご老人に話しかけられ、聞いてみるとポゴレリッチのかつてのプロモーターの方で、ホヤをたべたいというので88年の仙台公演つくったんだよね、など若い頃の裏話をきいたとのこと。
なかなかミラクルな人である。 pic.twitter.com/eS9FTAoxRc
— 洸村静樹 Seiju Komura (@seijukomura) January 26, 2025
なんとなくCD買ったのでサイン会並んでみたけどクソ並んでてポゴレリッチにも申し訳ない…
— ごくつぶし (@Jammes_ojisan) January 26, 2025
今日はご褒美で
ポゴレリチのリサイタルへおいおい上手すぎるだろ〜という涙が出ました
考えられた意図の見える音のバランスに、想像を超えてくる驚きのある響き、新しい旋律の入り方の意外性、今ここに対応した演奏 などなど 良すぎました
サインもらったらすごい顔面に書かれた pic.twitter.com/uEXz5NWKfW
— 川端夢衣 (@y_muzik) January 26, 2025