2021年第18回国際ショパンコンクールには、日本人14名を含む出場者87名が出場。中でも、牛田智大さんは、近年メジャーな国際コンクールで上位入賞しており、ショパンコンクールの予備審査を免除されるなど、今回のショパンコンクールでも入賞への大きな期待がかかっていました。ところが、2次予選の結果、3次予選に出場する23名が発表されましたが、その中に牛田智大さんの名がなかったことは大きな驚きでした。2次予選の結果のアナウンスのYOUTUB動画には1300件を超えるコメントが寄せられており、そのほとんどが、牛田智大さんが選ばれなかったのは納得できないという驚き、嘆き、不満の声です。
Announcing the results of the 2nd stage of auditions
牛田氏はツイッターで自分の演奏を分析しています。
このコンクールで審査をしてくださっている先生方は、音楽家として心から尊敬する存在で、演奏を聴いていただけたことをとても光栄に思っております。今回の判断を心から支持しています。
— Tomoharu Ushida 牛田智大 (@TomoharuUshida) October 13, 2021
今回はなかなかホールの音響がつかめず、最大音量を見極められないままラウンドを終えてしまい、ダイナミクスの構成や音色の調整が狂ってしまいました。ホールの音響上自分の音量が足りていないのではと錯覚してしまい、不自然な力で芸術的でない飽和した響きを引き出してしまった瞬間がありました。
— Tomoharu Ushida 牛田智大 (@TomoharuUshida) October 13, 2021
また、響かないホールで無理やり音量を出すために、バスや最も重要な音を少し遅らせることで倍音の効果でピアノが鳴っているように聞こえさせることができるのですが、これをホールの音響を探るうちに無意識に多用してしまっていたようです。
— Tomoharu Ushida 牛田智大 (@TomoharuUshida) October 13, 2021
(左右のズレは20世紀の典型的なテクニックではありますが現代ではあまりふさわしいとはいえません。もちろんポリフォニックな部分や旋律がレチタティーヴォ的になっている部分では声部ごとのイントネーションの違いから必然的なズレが生じるのは自然な範囲内であれば許容されるべきだとは思いますが)
— Tomoharu Ushida 牛田智大 (@TomoharuUshida) October 13, 2021
今後より成長して、また皆さまに聴いていただけるよう精進したいと思います。また再び皆さまと偉大な作曲家の音楽を共有できる日を楽しみにしています。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
— Tomoharu Ushida 牛田智大 (@TomoharuUshida) October 13, 2021
この件に関しては、ピアニスト青柳いづみこ氏がフェイスブックでコメントしています。
https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=272012478262374&id=100063608700897
どういうタッチで弾けば、審査委員席があるホールの2階でどう聞こえるのか、それを掴むのはなかなか難しいことなのだそうです。